REPORT

全部をみせるか見方までデザインするか

「しかけ絵本」というのをご存知でしょうか。
わたしは先日初めて知りました。

アコーディオンみたいにじゃばらになっている本をビヨンと伸ばし、
表紙に空いている穴から覗くと何層にも重なる一枚の絵が見られる絵本です。
この絵本は「穴を覗く」ことでしか完成されない世界で、その「ちょっと面倒な作業」があることによって素敵なものがより素敵に見えるということなのかなと思います。

例えば美術館に飾られている絵やオブジェなどは、そこにあり、各々が好きな場所からそれを観て、それぞれの受け止め方で解釈することが多い気がしますが、
只石の世界はしゃがんだり、暗かったり。一番見せたいものの前には少しのストレスが存在します。絵を見るのに穴を覗かなければいけない仕掛け絵本のように。

でもそうすると、景色が飛び込んできたときの開放感がより大きくなって、驚きの要素が大きくなる分、印象に残りやすかったり、結果的に「楽しかった!」と思いやすくなっている気がします。

吊り橋理論のことをよく聞きますが、確かにしかけ絵本を覗くときも、
その前の緊張のドキドキの脈と、覗いてからのワクワクの脈が合わさってどちらのものかわからなくなっていた気がしますし、結果的に「すごく感動した!」という気持ちが残りました。

これを、絵本の小さな空間ではなく、空間に落とし込んでいったらそれはファンタジーな世界になりますね、、、
次はどんな世界が出来上がるか、楽しみです。