メタファー
メタファー。
あまり聞きなれない言葉ですね。
でも、この視点を知っていると、建築や空間の見え方が、一段深まると思うので今日はぜひそれを覚えてみてください。
メタファーとは、日本語でいう隠喩や暗喩のこと。
たとえば「あの人は太陽のように明るい」と説明する代わりに、「あの人は太陽だ」といった感じで表現すること。
隠喩では、「明るい」「元気」「周りを照らす」といった意味を具体的に説明しないで、イメージで伝える。
具体的な表現を省略して、すべて「太陽」という言葉にまとめてしまう。
これが隠喩、メタファーです。
メタファーは、具体的に説明されていないので、受け取った側はそれぞれの経験に応じて少しずつ違う太陽像を思い浮かべることになる。
断定されないから、受け手は能動的に向き合うことになるし、解釈は受け手側の自由になるということ。
これがメタファーの寛大なところで、楽しいところです。
だってこちらが自由に受け取って、感じていいんだもの。
でも、忘れてはいけないのが、それはこちらが能動的にならないとそこにはなにも立ち上がらないということですね。この前提を忘れずに。
さて、空間においてはどうなるでしょう。
日本庭園の枯山水が、とてもわかりやすい例です。
塀で囲まれた庭に砂利が敷かれ、そこに石が置いてある。物理的には、それだけの空間です。
けれど能動的に眺めてみると、ただの砂利や石が、雲海から頭をのぞかせる山々に見えたり、海に浮かぶ島々に見えたりする。
海や雲として見えた瞬間、それまでただの庭だったものが、実際以上に広がりのある空間として感じられる。
これが、建築や空間におけるメタファーです。
メタファーとは、空間を読み解くためのヒントのようなもの。
まずは、この空間にはどんなヒントがあるんだろう?と探すように空間と向き合ってみる。
そしてヒントを見つけたら、それが何を表そうとしているのかを思考してみる。
それだけで、体験する空間の解像度が、一気に鮮明になります。
メタファーは、答えを与えるためのものではない。
次に空間を体験するとき、これがここにあるのはなぜだろう?
そんな視点をひとつ持ってみてください。
建築や空間の感じ方が、きっと今までと変わってくると思います。
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